夫や上司からお礼状など、手紙の代筆を頼まれた場合、どのようなマナーがあるか知っているでしょうか。夫の代筆であれば「内」、上司の代筆であれば「代」を使うのがマナーになっています。今回は代筆の時に使用される「内」や「代」について詳しい使い方を紹介します。どのような点に注意して使用すればいいのかを紹介しますので、参考にしてみて下さい。
夫の手紙を代筆するのに使う「内」とは?
お歳暮やお中元が夫宛に届いた時、夫が忙しくてお礼状を書けない場合は妻が代筆することがあります。そんな時代筆したという証明になるのが「内」なのです。「内」とは、その家の中の家族の者という意味がありますが、一般的なマナーとしては、妻が夫の代筆をした際に使用します。「内」を使用して手紙を書く際のポイントは、夫目線の書き方ではなく、妻目線の書き方で書くことです。「内」であることを記載して代筆であることを相手に知らせているのに、夫目線で書いてしまっては辻褄が合わなくなってしまうからです。あくまでも妻が代筆したという位置づけで手紙を書くことがポイントになります。
それでは親戚など親しい人に対して代筆の手紙を送る場合はどうしたらいいのか知っているでしょうか。「内」は本来、妻の名前を書いてもそれが誰なのか相手にわからない場合に使用されます。したがって親戚など妻も面識がある人に対して代筆する場合は、「内」ではなく連名にする方がいいでしょう。もし親戚などの親しい人に対しても、きちんと「内」を使用したいのであれば、「内」のあとに妻の名前を書くようにします。夫が山田太郎、妻が花子という名前であれば、「山田太郎内花子」というように書けばいいのです。ただし、「内」はフォーマルな書き方といえるので、親しい人に対して使うのはかしこまりすぎているのかもしれません。
親戚など親しい人に対して「内」を使用する場合は、「内」の後に妻の名前を書くと紹介しましたが、妻と面識のない人や目上の人に対して送る場合は、「内」のあとに何も書かないことがポイントになります。「内」のあとに妻の名前を書いてしまうと馴れ馴れしい感じがして失礼にあたるからです。したがって妻と面識がない人や目上の人に対して使用する場合は、夫の名前のあとに「内」だけを書くようにしましょう。書き方としては「山田太郎内」というような感じです。「内」の書く位置は、縦書きであれば左下、横書きであれば右下です。「内」を書く際には、夫の名前より少し小さく書くことがポイントになります。夫の名前より小さく書くことによって控えめな印象を与えることができるからです。
会社で上司の手紙を代筆するのに使う「代」とは?
部長などの管理職レベルの上司だと、本業が忙しくてなかなかお礼状を書く時間が取れない場合が多いのではないでしょうか。そんな時、部下が代筆を頼まれるケースが多くあります。特に秘書業務をしている方は代筆を頼まれることが多いのではないでしょうか。会社などで上司の代筆を頼まれた場合は、代筆であることがわかるように「代」を使用します。書き方としては、まず差出人として上司の役職と名前を書き、そのあとに「代」と代筆者の苗字を書きます。上司の名前が田中健一で自分の苗字が佐藤である場合は、「営業部長田中健一代佐藤」です。会社の上司の代筆の場合には、「代」を使用する以外にも「文責」や「内容」を使用することもあります。この場合も「文責」や「内容」のあとに代筆者の苗字を記載します。
このように「代」は家族以外の代筆を証明するという働きがありますが、ビジネスのシーンでは必ず使用しなければならないというわけではありません。取引先の相手によっては、お礼状に代筆を利用するのが失礼にあたる場合もあるからです。たとえ代筆であったとしても、上司が直接書いたような文章で送る場合は代筆を証明する必要がありません。それが代筆だと相手にわかっても、ビジネスの世界では暗黙の了解になっているからです。したがって上司から代筆を頼まれた場合は、代筆であることを記すのかを予め確認することが大切です。
最近では直筆の手紙ではなく、メールでお礼状を送るケースも多くあります。直筆だと筆跡で代筆だと知られてしまうことがありますが、メールは誰が送ったのかわかりにくいので、代筆を証明する必要がないといえます。その場合は、上司の許可をもらって上司のメールアドレスから送るようにしましょう。代筆をする場合に注意する点は、代筆者の意見を書くのではなく、上司の言葉を書くことです。代筆者はどんな点においても上司の代わりに筆をとったというスタンスなので、本人の言葉で書くことがポイントになります。
「内」や「代」を正しく使って手紙の代筆をしよう
手紙の代筆の時に使用する「内」や「代」の使い方を知ることはできたでしょうか。「内」や「代」の正しい使い方を知っていれば、急に代筆を頼まれた時でも、スムーズに行うことができます。代筆はあくまでも代理であるというスタンスを忘れずに、常に控えめな対応をすることが大切です。それによってよくできた妻や部下として周りの評価を上げることもできるからです。
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